私の楽曲履歴書(18)

初めて日本武道館でコンサートを見た1977年の春頃、
私が一番好きなアイドルは郷ひろみだった。
もともと新御三家の中では西城秀樹が一番好きだったが、
この時期は断然、ひろみに惹かれていた。理由は曲が良かったから。
「寒い夜明け」と「真夜中のヒーロー」が大好きだったのだ。
この2曲はどちらも筒美京平の作品。聴くと、筒美先生が作曲家として
だけでなく編曲家としても優れた才能の持主だったことがよく分かる。
特に「真夜中のヒーロー」の間奏から3番への展開は何度聴いても素晴らしい。
今では2曲ともいわゆる「隠れた名曲」っぽい扱いになっちゃってるけど、
若作りとは完全に無縁な、本当に若い青年だけが放ちうる青春の陰影を、
これほど美しく表現した曲は稀である。この2曲だけは誰にもカバーさせたくない。

注:どちらの動画も削除されている場合があります。


「寒い夜明け」の作詞は楳図かずお。チト意外ですが、とても良い歌詞です。