今日のあまちゃん

今日のあまちゃんは非常に見応えがあった。
東京篇になってから最も内容の濃い回だったのではないだろうか。

GMTのデビューシングル「地元に帰ろう」のレコーディングが終り、
ラフ音源が上がってきた。それを聴いた太巻は「普通だね」と批判。
自ら指揮をとって音いじりを始め、「太巻マジック」によって、
Perfumeふうの電子音ボイスのボーカルに変えてしまった。
その改変されたCDを聴いた春子が激怒して、現場に乗り込んできた。
「メンバーの許可もとらずにこんな編集してどういうつもり?」と
直接太巻に抗議する。すると今度は太巻が逆ギレ。なぜか関西弁で、
「どうせGMTなんて売れないんだから、せめてこうやってテレビ使って
回収してんだよ。素人のくせにガタガタ文句言うな!」と激しく批判。
それを聞いて春子はアキを辞めさせることを決意。「こんな事務所、
こっちから願い下げよ!」とタンカを切ってアキを連れて帰ろうとする。
それに対してアキは少し抵抗するが、結局母の意向に従ってGMTを辞め、
ハートフルも辞めることに決める。GMTのメンバーは引き止めるが、
アキの辞意は変わらない。その上でアキは水口に対して頼みごとをする。
「おらのせいでGMTのCDが出なくなるのは困る。GMTがこのまま
活動していけるよう太巻さんに頼んでけろ」と土下座してお願いする。
水口は「分かった。伝えておく」。事務所に戻ると、太巻らが早速
アキの後継メンバーを選んでいた。「お前も手伝え」と太巻にいわれると、
水口は太巻にハッキリ告げた。「アキの代わりはいません」。

感動のポイントは2つあったと思う。1つは春子による太巻批判のリアルさ。
これは単にAKBに対してだけではなく、Perfumeハロプロやスターダストも含めた、
今の日本のアイドル業界全体に対する本質的な批判を含む内容だった。
「普通にやって、普通に売れるもん作りなさいよ!」という春子の啖呵は、
あまちゃん」を象徴する台詞の1つとして、永く視聴者の心に残るだろう。

もうひとつはGMTを思うアキの思いとその行動。演出に関して言えば、
アキが春子の説得を受け入れてGMTを辞めることに決めるまでの流れには、
やや不自然さがあった。もっとGMTに執着するのが普通だろう。けど、
自分が辞めたあとのGMT存続を願うアキの真剣な思いとその表現は、
演出への違和感を超えて感動的だった。水口の反応も良かった。

ドラマの流れ的に見て、今日が大きなターニングポイントになるのは確実。
「このままじゃ終わらないわよ。首にしたことを後悔させてやる」と
春子が言ってたので、このまますぐ岩手に帰ることはなさそう。
果たしてここからどう反撃するのか。引き続き注目していきたい。


「どこまで器ちっちゃいのよ」と言って太巻を責める春子。
普通にプロデュースできない原因を器の小ささと見る視点は鋭い。


「みんなで一緒に頑張るって決めたばっかだべ」と言ってアキを引き止める
小野寺ちゃん。いいシーンだったが、残念ながら演技はイマイチだった。


自分が辞めたあとのGMTをよろしく頼むと、土下座して水口に訴えるアキ。
演出としてはやや不自然ながら、能年玲奈の演技はとても良かった。