Sさんのこと

お菓子なシスターズの動画を見ていて、ふとSさんを思い出した。
SさんはSki系の知り合いで、年齢は私より少し上の40代後半。
某大手エレクトロニクスメーカーで研究開発系の要職に就きながら、
アイドルヲタク兼鉄ヲタとして長く高レベルな活動をされていた方である。
アイドル歌謡をはじめ音楽全般に造詣が深く、また東京下町育ちらしく
言動や振舞いがなにかと粋で決して偉ぶらず、しかも人格者であった。
交遊範囲も広く、作家の宮部みゆきさんとも知り合いだったようだ。
そんな非の打ち所のないSさんにも、一つ弱点があった。それは、
B級アイドル、特に期間限定の企画ものB級3人組アイドルに目がないこと。
この分野に疎い私はあまり固有名詞を挙げられないのだが、Sさんの
メンディーズおにぎりにぎり隊(初代)に対する偏愛ぶりは忘れがたい。
3人組アイドルユニットは私も決して嫌いな方ではないが、QlairD&D
dream、TRINITY、後浦なつみ、LOVE&PEACE、Chocolove、Buono!
といった歴代の推しユニットを見れば分かるように、B級というよりは、
準A級クラスの3人組が好きなのは事実。一方、Sさんは徹底したB専で、
事実、乙女塾でもQlairは避けてribbonを推していた。またMelodyに
ついても断固スターランド時代、つまり「おーえんじぇるどりーみん♪」
とか言ってゆきどんがパンツ見せまくってた頃を評価し、ポニーキャニオン
移籍後は興味を失ったようだった。と言っても、Sさんはパンチラには
全く興味なし。断固ポニキャン時代の方が好きで、断固パンチラ好きな
私とは明らかに嗜好が異なっていたが、Skiでの吉成圭子推しは同じだった。
で、お菓子なシスターズを見て、これをSさんが見たらどう思うかなぁ…
と思った次第。Sさんなら「秋元康も懲りないね」と言って笑うかもしれない。
ちなみにSさんは、4年前に年齢が一回りぐらい下の女性と結婚され、
今ではかわいい女のお子さんもできて、かつてアイドルに捧げた情熱を
今は娘さんに注いでらっしゃるようだ。まさに理想のヲタ卒ライフである。
私もあやかりたい気持ちは山々だが、おそらく一生あやかれないであろう。
それでも、こんなふうに折にふれてSさんのことを懐かしく思い出すのは、
人格者とは程遠い私にとって一つの喜びであり、また心の慰めである。納得。