「1人で爆笑」は誤用か?

上の記事の中の「爆笑」は、語義論的には誤用である。
辞書では爆笑は「大勢の人が一度にどっと笑うこと」と定義されており、
1人で大笑いする場合は「哄笑」を用いるのが正しいとされている。
しかし実際には、1人で大笑いする場合にも爆笑が使われるケースは
増えており、そうした文脈で爆笑が使われているのを見て違和感を覚える
人も今では少ないはず。従って、いずれ1人での爆笑も正用と
認められる公算が大きいが、当面は誤用とし続ける辞書が多いだろう。
とりあえず来年1月に出る新しい広辞苑が注目されることになる。
広辞苑は、かつては言語保守主義者の牙城であったが、最近は、
物わかりの良いところを見せようとする面もあるので、もしかしたら
率先して1人爆笑を認めるかもしれない。可能性は低いけど。
個人的には、爆笑の「爆」は、原義の「爆ぜる(ような)」ではなく、
「超」や「激」と同種の、程度の甚だしさを示す接頭辞と捉える方が、
今や適切ではないかと思う。この意味での用例は「爆乳」「爆泣」等で、
いずれもまだ熟した言葉とは言えないが、今後この意味で爆が使われる
例は増えていくものと思われる。「爆怒」「爆喜」など、今はまだ
違和感あるものの、「怒りを爆発させる」がノーマルな表現とされている
ことを思えば、将来は熟語化する可能性もないとは言えない。
(笑)を愛用する一方で(爆)を滅多に使わないなど、必ずしも
「爆」に対して好意的とは言えない自分ではあるが、とりあえず、
1人爆笑の正当性はただちに認められるべきと思う。爆得。 …無理か(笑)