「エンジェル・ゲート」@新国立劇場

今日はこどもの日。だからと言うわけではないが、なんとなく
普段とは違う傾向のものを観たくなり、BON-BON BLANCOの出る
ミュージカル「エンジェル・ゲート」を観に行った。と言っても、
ボンブラが出るからというのは自分に対する口実に過ぎず、
去年評判の良かったこのミュージカルそのものへの関心が主であった。


当日券を買って入場すると、一番目立つところにつんくからの花が
あったのが目を引いた。もりちゃんの話では、℃-uteのコンサートに
スペースクラフトの大西社長からの花が届いていたそうなので、
UFAスペクラは今後提携関係を深めて行くのかも知れない。
チケットは14列目のほぼセンターだったが、1階はほぼ満員で、
そのあたりは窮屈そうだったため、最後列の右端へ移動して観た。
そこだとのんびり観れるものの、出演者の顔がほとんど見えない。
最前列の右端に3連番で空席があり、ドリームしたかったが、
勇気がなくて実行できず、そのまま後方から鑑賞した。


ストーリーは、幼い頃父親に見捨てられたと思い込んで心に傷を負い、
リストカットを繰り返していた孤独な女の子が、音楽や愛の力で
癒されて変わっていくという、まあ王道というかよくある話であった。
ボンブラは、ライブイベントのシーンでBON-BON BLANCO役で登場、
持ち歌の「Changing」を歌った。会場からは手拍子ひとつ無かったが、
どこで聴いてもこの曲はイイ。なお、アンナ以外の4人は楽器演奏ではなく
ダンサーとしての出演だった。ボンブラには台詞は全くなかった。


前半が終わってロビーへ出るところで、またもやパインさんと遭遇した。
パインさんはボンブラマジヲタの佐々木さんと一緒だった。
喋ってるうちに、最前の3連番の空席にドリームしようという話になった。
なんか言われたらすぐ撤収という条件で実行。結局なにも言われなかった。
当たり前だけど、最前で観ると迫力というか臨場感が全然違う。
主演の南里侑香さんは、南少後期のエース的存在だった人らしいが、
さすがに上手い。おちゃらけ天使役の吉野紗香もイイ味を出していた。
しかしなんと言っても素晴らしかったのは、水谷妃里だ。
間近で見ると、演技・存在感・美しさ、どれもがハイレベルだった。
さすがスペクラクオリティと言いたいところだが、逆に言うと、
これだけ演技力と華のある女優なのに、今の百花繚乱のU-21女優シーンの
第一線に送り込めていないのは、スペクラの力不足と言えるかも知れない。
なお男優では、篠山輝信篠山紀信の次男)のさわやかな好演が印象的だった。
演出と脚本は全体を通じてほどよく洗練されており、最後のほうは
ちょっと考えさせられる台詞もさりげなく挟み込みつつハッピーエンド。
感動こそなかったが、ミュージカルならではの様式美を味わえる舞台であった。


終演後に佐々木さんから聞いた話によると、今年は、昨年スポンサーだった
マイクロソフトが降りてしまったため全体にコストダウンが図られており、
音楽も生演奏でなくなったりして、作品としての質は昨年より落ちるとのこと。
それでも自分としては、たとえ1年に一度だけでも、こういう洗練された
ミュージカルを観るのは、何かのプラスになるのではないかと思う。