私の楽曲履歴書(13)
ロックンロールの目覚めに関してキャロルと並んで重要なのは、
サディスティック・ミカ・バンド。加藤和彦ファンの親戚の叔母さんに
「キャロルが好き」と言ったら、「じゃあこれも聴いてみたら」と言って
「タイムマシンにおねがい」のレコードを貸してくれたのだった。
初めてこの曲を聴いたときは、なんとも言えず奇妙な感じがした。
ロックなのに全然不良っぽくなかったからだ。「ロック=不良の音楽」
という先入観が非常に強かったので、「これホントにロックなの?」と
疑問を感じてしまったのである。なので、この曲を本当に好きになったのは、
思春期に入ってからのこと。私はミカのシャーマンっぽい歌唱が好きで、
特に最後のリフレインの、憑依感たっぷりの歌い方が大好きだった。
成人後も、島袋寛子、サントス・アンナ、長谷部優、Cocco、ビョーク、
廣田あいか、高橋麻里と、私の憑依型シンガーへの嗜好は根強い。
ロックンロールとシャーマニズム。いつまで好きでいられるかな。
憑依感なんて全然ないじゃないか、と疑問をお感じの若い方は、
ぜひオリジナル音源を聴いてみてください。