Cocco「エメラルド」

エメラルド

エメラルド

今日はCoccoのnewアルバム「エメラルド」の発売日。
昨日のUstreamがとても良かったので、期待しつつ試聴した。
注目点は、速い曲もいいのかどうかだったが、3曲目の「蝶の舞う」
という曲がかなーり良く、その次の「Spring around」もなかなか
良かったので、そこで試聴を切り上げて購入することにした。基本的に、
今回は買おうという気持ちがあったからだが、結果的には失敗だった。
アルバムの後半がつまらない曲ばかりだったからだ。と言っても、
凡曲のオンパレードという意味ではない。それどころか、ほとんど
全ての曲が良曲と言っても過言ではないくらい、完成度は高い。
けれども、なんというか、「文化庁芸術祭新人賞最有力候補!」
という感じの、オーソライズドな良さなのだ。歌詞に沖縄方言が
多いのもその印象を強めている。歌詞カードをざっと読んだだけでも、
沖縄の人々の苦悩や絶望といったものを題材にした、文学性の高い
歌詞だとは分かるんだけど、分かるだけで詞そのものに感動できない。
単に歌詞だけでなく、アルバム全体に対してもそのように感じた。
それが二重に残念だった。二重というのはつまり、すっかり文化人
っぽくなってしまったCoccoへの残念さと、こんなに良い音楽に
感動できない自分の感受性の衰えへの残念さの両方、という意味。
芸術の秋にはまだ少し間があるけれど、このへんで心を入れ替えて、
音楽の聴き方を思い切って変える必要があるかも知れない。要検討。