ロニー・ジェイムス・ディオ死去

ロニー・ジェイムス・ディオが亡くなった。(正確には“ジェイムズ”であろう)
自分は知らなかったが、昨年胃ガンであることを公表していたらしい。
享年67と聞いて、もうそんな年齢だったのかと、ちょっと驚いた。
ミック・ジャガーより1つ年上と知れば、ちょっとじゃなく驚く。
ロニーは、自分の世代だと、レインボーのボーカルとして知った人が多いはず。
私もそうで、あの迫力と深みがあって、高音がキンキンしない歌声が好きだった。
とくに、Catch the Rainbowなどのバラードが好きだった。
一番よく聴いたのはブラック・サバスの「Heaven and Hell」の頃だった。
高校の同級生に竹田くんという大のサバス好きがいて、彼はよく
「シンミーアソン、ヨーアシンガー♪」 とHeaven and Hellの出だしを歌っては
「いいだろう!」と同意を迫った。でも私は「Die Young」の方が好きだった。
Heaven and HellとDie Young、どっちが名曲かという問題をめぐって、
よく激論を戦わせたものだった。今聴くと、竹田くんが正しかったと思う。
それはともかく、ロニーと私の仲は長続きしなかった。この頃はちょうど、
アイアン・メイデンデフ・レパードといった新しいバンドが台頭して来て、
ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンに代表される「ハードロック」から
ヘビーメタル」へ主流が変わる時期にあたる。私はこの変化に乗れなかった。
以後、ガンズとエアロスミスを例外として、私はヘビメタ門外漢となる。
一方、ブラック・サバスをやめてDioとして独立したロニーは、ヘビーメタル
世界で教祖的存在になった。80年代中頃から日本でも伊藤政則あたりが
ヘビーメタル=様式美の音楽」みたいなことを言い出したが、そういう
様式化されたロックとしてのヘビメタの元祖がロニー・ジェイムス・ディオだった。
(とはいえ、真のオリジネイターはデビッド・カバーデイルかも知れない。)
様式メタルにも独特の魅力はあったものの、いかんせんダサさは否めない。
様式美といえば聞こえはいいが、要はマンネリズムの正当化に過ぎないからだ。
Dioの新譜を試聴しても、速い曲はみんなKill the Kingの焼き直しに聴こえた。
去年出たHeaven and Hell名義でのニューアルバムにはちょっと期待したけど、
聴いてみると妙に重苦しく、往年の輝きは感じられなかった。同じマンネリでも
AC/DCは今も新鮮に聴こえるのになんでだろうとは思ったが、よく分からない。
来日公演は好評だったようなので、ライブを見なきゃ分からんよという事だろう。
最近はマイケル・ジャクソン忌野清志郎のように、死をきっかけにして劇的に
再評価されるミュージシャンが目立つ。ロニー・ジェイムス・ディオもその1人に
なる可能性は十分ある。とりあえず今夜は「虹をつかもう」でも聴いて寝よう。