イノセント・ラヴ第3話

中だるみ気味だった先週から一転し、今週は緊張感に満ちたいい展開だった。
この緊張感は、単にストーリーや演出上の要請から来るものではなさそうだ。
おそらくこのドラマのテーマ、あるいは隠しテーマの重さに由来するものだろう。
そのテーマとは、「愛の為に人を殺すことは許されるか」という問いだと思う。
下敷きはおそらくドストエフスキー。「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」の
両方からインスパイアされているように思える。つまり佳音=ソーニャだろう。
月9で売春婦は難しいので掃除屋にしてあるが、信仰と献身の深さは共通する。
昴(成宮寛貴)の殉也(北川悠仁)への想いが友情ではなく愛情でなくては
ならない理由もそれで分かる。美月(香椎由宇)の殉也への想いもまた同じ。
ストーリーの点では、佳音(堀北真希)が父親殺しの真犯人であることが、
初めて暗示された。ある意味ではすでに初回から暗示されていたとも言えるが、
今週はいわばその疑いが公認された形となった。父親による性的虐待も仄めかされて
いたので、兄の耀司(福士誠治)が妹の犯行と知りながら庇っている構図が見える。
問題は、 佳音と耀司が実の兄妹なのかどうかだ。私は血は繋がっていないと思う。
おそらく佳音は、まだ幼い頃教会に引き取られてきた孤児なのではないだろうか。
どうもそんな気がする。来週はそのあたりの暗示もあるかも知れない。来週も見よう。