緒形拳さん死去

俳優の緒形拳さんが亡くなった。朝起きてすぐ昨日のNYの株価を見るために
パソコンを入れた時Yahooのトップページで知ったが、一瞬信じられなかった。
本文を読んで本当に死んだんだと分かり、悲しい気持ちになった。
昨日までカラリオのCMで元気な姿を見ていたのに・・・と思うと、
無常の感もひとしお深い。ただ、亡くなる直前まで元気で、老醜と無縁だった
のは幸いだった。先頃亡くなったポール・ニューマンもそうだったらしいが、
ある意味では役者として理想的な死に方だったと言えるのではないだろうか。
私自身は、「復讐するは我にあり」「鬼畜」「楢山節考」といった映画で見た
緒形さんの印象が深い。なかでも、復讐するは我にありの犯人役は、
普段の善良さと人を殺すときの残忍さのコントラストが物凄かった。
初めて見た時まだ映画を見慣れていない中学生だったこともあり、
このとき感じた「普段は良い人だけど実は恐い人」という印象が、演じた
緒形拳さんについても長く残ってしまった。(ちなみに、同じパターンで
「鬼畜」の演技の印象が強烈だった岩下志麻も、今でもちょっと怖い)
「歳をとっても、立派な役者じゃなくて、いい役者でいたい」と語っていた
緒形さん。実際は立派ないい役者であり、飛び切りのいい男でした。合掌。