池澤夏樹「バビロンに行きて歌え」を読んで

日曜日に、何か今まで読んだことのないジャンルの本を買おうと思って
書店に行ったものの、なかなかこれという1冊を発見できず、結局、
立ち読みしてイイ感じだった池澤夏樹の「 バビロンに行きて歌え」を買った。
池澤夏樹にはエッセイや書評は面白いけど小説はつまらないというイメージがある。
以前に「夏の朝の成層圏」と「マシアス・ギリの失脚」を図書館で借りて読んで
みたけど、どちらもつまんなくて途中でやめてしまった。さらに、池澤春菜という
美貌の娘がいることへの嫉妬も手伝って、好きだけど買えない作家の1人だった。
何年ぶりかで読んでみた池澤さんの小説は、やはりあまり面白くなかった。
とはいえ、文章はすごく良かった。知的で、無駄がなくて品のある文体は、
エッセイではおなじみだったけど、この小説でも見事に機能していた。
読んだ後、こういう文章で自分も小説を書けたらいいなあと思った。
そんなことを思ったのは実に久しぶりである。もしかすると、これは
一つの機会かもしれないので、とりあえず池澤さんの他の小説も読んでみよう。