新興市場株の調整局面間近?

昨日マネックス証券のサイトでJPモルガンのリサーチペーパーを読んでいて、
気になる情報を見つけた。各国や市場ごとに担当ストラテジストが
短期の見通しを書いているのだが、気になったのはエマージング市場についての記述。

新興国市場担当のAdrian Mowat は、昨今の米国金利の上昇により、
新興市場に調整の可能性が高まったと見ている。
今回のFed の利上げサイクルでは、3 ヶ月間の米国10 年金利の変動幅が
3 ヶ月平均から1.8 標準偏差を超えると、新興市場の3 ヶ月先リターンが
マイナスとなる傾向が見られた。2004 年以降、7 回の調整局面のうち、
5 回がこのケースに当てはまる。
調整局面に最も脆弱と思われるのは、(1)市場の期待が極めて高いブラジル、
マレーシア、インドネシア、(2)直近で株価が強含んでいたブラジル、中国、
メキシコ、パキスタン、マレーシア、フィリピン、韓国、などであろう。
今年は同一市場内でもセクター間のパフォーマンスの差が顕著だが、
直近で強含んでいたセクターは、ブラジル、韓国、メキシコの素材セクター、
中国と韓国の工業セクター、メキシコのテレコムセクター、
インドのエネルギーセクターなどである。

実は最近わたくしは投資信託というものに興味を持っていて、
買うならアジア株中心のファンドがいいかな、などと考えていたのですが、
この情報には水を差された。本当に調整局面に入るのかどうかは分からないが、
買うのはもうちょっと待ってからの方がいいのかも知れない。
ちなみに同じレポートで、日本に強気の12の理由が挙げられているので、
その部分も引用しておこう。

Chakrabortti は6 月8 日付けレポート(The Big Picture)で、
日本を強気に見る12 の理由を挙げている。まず金融、物価に関連する
ものとしては、(1)市場に擁護的な日銀の金融政策、(2)イールドカーブ
ティープ化、(3)インフレのプラス作用、(4)貸し出し動向の回復に見ら
れる新しいクレジットサイクル入り、(5)地価上昇に見られる新しい資産サ
イクル入り、などである。
またその他にも、(6) 他の主要国比での相対優位な業績モメンタム、(7)
収益性の改善見通し、(8)構造的な円安トレンド、(9)団塊世代の大量退
職といった労働市場の構造変化、(10)良好な国内設備投資環境、(11)エ
ネルギー依存度の低さ、(12)妥当なバリュエーション水準、を挙げている。

国内株は、どの銘柄を買えばいいのかサッパリ分からないため、
あまり興味を持てない自分だが、国内株式系の投信は検討してみる価値があるかも。