真野恵里菜出演舞台「フォトジェニック」@下北沢ザ・スズナリ

5日立て興行の3日目の昼公演。おそらく最も出演者の集中力が下がる回と
思われるが、諸事情でこの回しか見れないため、仕事をサボッて観に行った。
スズナリは初めての会場。ホールへ上がる階段は恐いほど急だったけど、
中は心配してたほどは狭くなかった。自分の席はだいぶ後ろの方の通路席
客席は芝居好きそうな大人たちでほぼ満員。関係者ふうの人も多かった。
作品の内容は、真野ちゃんからネタバレ禁止令が出てるので省略しますが、
とにかく面白かった。約1時間40分があっという間に過ぎた感じ。
ただ、非常におっさん臭い面白さだったのも事実。堤幸彦の演出は、
ひと言で言えば、おっさんによる真剣なおふざけ。福田雄一の脚本も、
東京DOGSの時のような若者への媚びは一切なく、ひたすらおやじノリ。
自分はたまたま福田と同世代のおっさんなので、ほぼ全編にわたって
気持ちよく笑わせてもらえたけど、これを20代の友人に勧める気はしない。
真野ちゃんの演じた君島はてなは、本当は頭いいのに事務所の方針で
天然フシギちゃんを演じさせられている、売出し中のアイドルという役柄。
真野ちゃんの演技は安定していた。芸達者なおっさん&おばさん揃いの
キャストの中で、全くと言っていいほど浮き上がらず、ちゃんと芝居に
収まってたのはさすがだった。自分の見せ場ではしっかり見せてもいた。
と言っても、ハローキティの時のような感動の演技というものはなく、
ファンなら必見とかそういう舞台ではない。見に行けなくてモヤモヤしてる
地方在住または仕事の忙しいマノフレの皆さんはどうかご安心ください。
個人的には、真野ちゃんより三浦理恵子の演技に惹かれた。というか、
演技以前に、理恵子の脚が素晴らしかった。遠目にもまばゆいばかりの
美脚で、舞台全体の中で誰よりも何よりも強力な存在感を放っていた。
また演技もとても良かった。パンフレットの出演者コメントを読むと、
今回の稽古ではかなり苦労したみたいだけど、見事に結果を出していた。
このスタイルと演技力なら、舞台女優としても生き残って行けるだろう。
芝居の中で理恵子が真野ちゃんを抱きしめるシーンがあり、そこは別に
大して感動的なシーンというワケでもないんだけど、自分的にグッときた。
CoCo解散からすでに16年。当時まだ3歳だった真野ちゃんが19歳になり、
当時20歳の理恵子が今36歳でこんなに綺麗で魅力的で、自分が今好きな
真野恵里菜を抱きしめている。なんというか、長生きしてよかったなぁ、
長くアイドルファンやってて良かったなぁ、と実感したシーンであった。
JPルームが真野ちゃんをこの作品に出演させた狙いは、たぶん堤幸彦
福田雄一を通じての映画・ドラマ関係者への売り込みだろう。その戦略と
真野ちゃんの努力は、そう遠くない将来に実を結ぶのではないだろうか。