黒岩泰「市場的比喩」より

今日のetradeメールマガジンに面白いコラムが載っていた。
タイトルは「噛み切れないミノ」。以下全文を転載する。
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年の瀬が迫ってくるとどうも体の調子がおかしくなる。なぜならば連日の忘
年会でアルコールが徐々に体に蓄積されていくからだ。二日酔いとは言わな
いまでも何か調子がヘン。スポーツ主体の健康的な忘年会というものはない
のだろうか。
そんな肉体的に厳しい状況の中で、精神的ダメージを喰らうと最悪事態とな
る。「よし、今日の忘年会は焼肉だ!」と意気込んでいても、実際に行って
みると超有名チェーン店。「お前、学校でガムなんか噛んでんじゃねぇよ!」
と先生に怒られ、生徒が「先生お言葉ですが、ガムじゃなくてミノです」と
東京ダイナマイトのネタに出てくるようなお肉を出すような店なのだ。ショ
ックは計りしれないものであり、すぐに立ち直ることはできない。
昨晩発表された米FRBによる利下げ幅0.25%というのは、そのようなダメージ
に匹敵するものであった。0.5%という高級焼肉店を期待していたのに0.25%
のチェーン店とは何とも不幸な話。落差が大きいだけに、株価への影響も大
きかったのだ。米国株の急落にはそのような背景があったのだ。
でもそのような最悪シチュエーションが一次会だけで終了すると思ったら大
間違い。「よ〜し、次はカラオケだ!」と言って、上司に無理やり連れて行
かれると、そこはいかにも怪しげな貧乏学生専門店。「質」ではなく「量」
勝負の店であり、ヘンテコリンな飲み物や食べ物で満ち溢れているのだ。
「このサワー薄っ!」「このポテトかたっ!」という事態になりかねず、二
次災害には注意したいところだ。
FRBが利下げしたからといって抜本的にサブプライム問題が解決されるとい
うわけではなく、次から次へと被害が拡大しかねないということである。
最終的には公的資金注入などの対策を講じない限り、事態は収束しないと思
われるのだ。
忘年会は「すみません、急に子供が熱を出しまして・・・」などという白々
しい嘘をついて帰路に着くしかないだろう。でも、焼肉を食べ始めてすぐに
そのような言葉を発したら超バレバレだ。噛み切れないミノを口の中に入れ
ながら、「ふみまへん、ひゅうにこともがねすをだひまひて・・・」と言っ
たところで、誰からも信用されないのだ。「コイツ、ミノが噛み切れなくて、
帰りたくなったな」程度にしか思われないのである。
この時期、忘年会と米住宅問題は要注意。深入りすると体調がおかしくなる。
共にそこそこで切り上げたいものだ。 
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ここまで自分のと似た文体に出会ったのは初めて。
黒岩泰・・・きっと良い人に違いない。納得。